7. 地域慣行施肥基準と弊社施肥量比較

今日は「終業後に自主的に勉強をしたい」と社員から要望があり、肥料について勉強会をしました。

単肥の種類と組み合わせ方。
いちごが生育ステージごとに必要とする各元素の量。
陽イオン、陰イオンについて。
pHの話。
など。あっという間に2時間経っていましたがとても充実した時間でした。

オーガニックの肥料についても質問があり、坂井は有機肥料が好きなので有機肥料についても触れました。

ちなみに、以前は有機肥料メインで栽培していました。

有機肥料メインで栽培していた頃に夏秋いちご、冬春いちごでそれぞれ「環境にやさしい農産物認証」の認定を受けたことがあります。(平成30年だったと思います)
「環境にやさしい農産物認証」は地域ごとに設定された施肥量の慣行基準から化学肥料の窒素を50%以下にする、というもの。(農薬の使用回数も50%以下にする必要があります。)

長野県で設定されているいちごの慣行基準

長野県のいちごの慣行基準は10aあたり窒素25kgです。

ただし、収穫期間120日の場合が25kg。収穫期間が120日を超える場合、1週間増えるごとに窒素1kgを加算することになっています。
例えば定植から収穫開始までの日数が70日、収穫期間が120日の場合、合計190日で窒素25kgです。
収穫期間が180日なら120日より60日(約8週)長くなるので窒素は8kg加算されて33kg施用。というのが長野県の慣行基準です。
参考までに、いちご生産量国内1位の栃木県は10a/20kg。
同国内2位の福岡県は10a/30kgです。

それより50%以下の窒素量なら環境にやさしい農産物認証が受けられる水準になります。(有機肥料の場合、窒素量にカウントされません)

坂井が認証を受けた時の栽培方法は、窒素量の大部分を有機肥料で施用する栽培だったため、認証水準は容易にクリアできたのですが、現在は栽培方法を変えて施肥のほとんどを化学肥料で賄っています。(有機肥料もタイミングを見て使います)

ということで改めて弊社の施肥量がどのくらいなのか確認してみました。

収穫開始まで70日、収穫期間120日として計算した場合、10aのいちご(弊社の場合約5,800株)が使う分の窒素は7.33kgでした。流亡分を考慮して必要量の130%で施用しているので実際の施肥量は9.53kgという数字でした。

長野県の慣行基準の50%(12.5kg)以下、ということにちょっと驚きました。
というのも弊社の施肥量はいちごにとっては充分な量で、特に減らしてはいないからです。
もし10a/25kgの窒素を施用するとなると… 多過ぎます。(以前はそれが多いのか少ないのかよく分かっていませんでしたが…)

肥料は追求していくと細かくて精密な化学と数字の世界で、坂井はとても好きな分野です。

今日は社員の探究心から良い刺激をもらうことができました。Terima kasih.

お疲れ様でした。