1. 初めまして。夏秋いちごについて。

初めまして。
ASTROBERRYの坂井と申します。
弊社は長野県下伊那郡大鹿村で、夏秋(かしゅう)いちごを専門に栽培している農園です。

 

夏秋いちごとは夏から秋(6〜11月頃)に収穫・出荷するいちごの総称です。

いちごの季節は普通は冬から春(12〜5月頃)ですね。

普通はいちごが無い夏や秋にもいちごがあったらいいな。というニーズに応えるべく作られるようになったのが夏秋いちごです。

 

普通のいちごは、なぜ夏に無いのか?

いちごは短日環境で花を咲かせる植物です。いちごが花を咲かせられる日の長さは13時間以下が目安です。(品種により差あり)
13時間以下の日長とは長野県なら8月末〜4月中旬頃で、この頃であればいちごは花芽を形成することができます。花芽を形成してから花が咲くまでは約1ヶ月かかります。

収穫できるようになるまでは開花から1ヶ月以上の時間が必要です。

ですから8月末に形成された花芽が開花するのは9月末頃。収穫できるのは11月上旬頃。

暗室などでの日長操作をした場合を除けば、いちごの収穫開始時期は早くても11月となります。

その後、日が短い冬は連続して花芽を形成します。

冬から春になると日が長くなり、4月中旬頃が花芽を形成できる日長の限界です。

4月中旬に形成された花芽が開花するのが5月中頃。収穫されるのが6月下旬。

いちごの収穫終了時期は6月下旬頃となります。(品種により差あり)

 

そういう理由で6〜11月頃はいちごがありません。

 

長日でも花芽を形成するいちご

例外的に13時間以上の日の長さでも花芽を形成するいちごの品種があります。

それが、夏でもいちごがあったらいいな、というニーズに応えるべく育種されてきた夏秋いちごです。

年間を通して花芽を形成することから四季成り(しきなり)いちごと呼ばれたりします。

 

現在の夏秋いちごの育種や栽培は、今から30年ほど前、株式会社ホーブの北海道での取り組みが起点です。

その後長野県などでも育種が進められ、今では北海道、東北、長野を中心に各地で栽培されるようになっています。

 

冬から春にかけての国内でのいちごの生産量は年間160,000t程。

対して夏秋いちごの生産量は2,000t程ではないかと思いますので、圧倒的に少ないのです。

ASTROBERRYはそんな夏秋いちごを専門に作っている会社です。

2023年の栽培面積は51a。

栽培本数は28,500株です。

 

あまり知られていない作物ですから、知っていただくためにも少しずつブログを綴っていきます。

 

それから、今日(2/1)は今年の夏秋いちごの植え付け初日でした。今年の栽培がスタートいたしました。